国際協力(JICA研修)
JICA研修の背景及び目的
北海道はおよそ130年前に政府主導により本格的な開発がスタートし、短期間で急激な発展を遂げた。その間、土地改良区は行政の働きかけと支援を受けて設立・強化され、単なる水利組合としての機能だけでなく、農家の主体的参加を奨励し地域を活性化させるという地域振興の役割も担ってきた。このような背景と特徴を有する北海道の土地改良区は、農業・農村開発を進める開発途上国にとって大いに参考となる成功事例といえる。
一方、灌漑施設の維持管理に関し、多くのアジア諸国では農民主体的な維持管理体制が確立されていないことから、施設の保守や維持が適切に行われず、適切公平な水配分ができないという状態が散見されている。こうした状況に鑑み、大雪土地改良区は上川管内の土地改良区の協力を得て、北海道の土地改良区としての経験やノウハウをアジア諸国に移転すべく、課題別研修「農民主体型用水管理システム」を実施してきた。
本研修は2002年、旭鷹土地改良区の時代からスタートしている。当初は1カ国での研修であったが、現在はアジア地域、アフリカ地域の混合1本のコースを実施しており、いずれも英語を言語とした多国籍のコースとなっている。大雪土地改良区としては、これまで、平成18年から令和6年までにアジア16カ国148名,アフリカ18カ国99名の研修員を受入た。また、フォローアップ調査としてアジア(中国,スリランカ,ラオス,ミャンマー,バングラディシュ,東ティモール,カンボジア)、アフリカ(ルワンダ,タンザニア,ザンビア)の現地へ計12名の職員が発展途上国の農業の現状を調査したり現地で講義するなど積極的な海外協力を行っている。
現在の日本の約50年程前の農業のような途上国の現状や課題を見て、解決するための指導に携わることが職員のレベルアップに繋がるとともに今後の我々の発展にも役立つと考えて積極的に取組んでいる。
受入実績
アジア地域の受入国
◆2006~2024年◆ 16カ国 148名
東ティモール,ミャンマー,スリランカ,ラオス,バングラディシュ,カンボジア,インド,パキスタン,ネパール,ブータン,アフガニスタン,フィリピン,マレーシア,インドネシア,ベトナム,タイ
アフリカ地域の受入国
◆2011~2024年◆ 18カ国 99名
エチオピア,ガーナ,ケニア,ナイジェリア,ルワンダ,タンザニア,ウガンダ,マラウィ,スーダン,ザンビア,カメルーン,南スーダン,ギニア,マダガスカル,セネガル,ガンビア,ジンバブエ,モザンピーク
エチオピア,ガーナ,ケニア,ナイジェリア,ルワンダ,タンザニア,ウガンダ,マラウィ,スーダン,ザンビア,カメルーン,南スーダン,ギニア,マダガスカル,セネガル,ガンビア,ジンバブエ,モザンピーク